15周年に向かって

Story

4、原点として胸に刻む、2006年9月3日オープンからの4カ月(2/3)

 

来店客数が伸び悩み、困惑する日々

 

当時のお店の前は人通りが少なく、閑散としていました


20069月のオープンから順調に増えていた来店客数が、 2カ月後の 11月に入った途端、急に伸び悩むようになりました。
朝の開店から 30分間、お客様が誰も来ない日も。
実は、 15年たつ今ならその理由は明白で、単純に寒くなったから。
御殿場は 11月に入ると一気に冬の空気に変わり、冷たいゼリーを食べるには肌寒い気候になるのです。
 
しかし当時はそれがわからず、頭を悩ませました。
打開策もないまま 12月に入り、ここでいったん気持ちを切り替えて、年内は定休日なしで営業してみようと決めました。
曜日ごとの来店客数を調べて、何曜日が定休日に適しているのかを確かめる目的もありました。
 
12月はお歳暮やご進物の需要が増える時期とあって、徐々に売上は持ち直しました。
予想外だったのはクリスマスイブによく売れたこと。
これも今なら理由がわかるのですが、ケーキが苦手なかたがクリスマスのデザートにゼリーを選んでくださっていたのです。
現在まで続く季節ごとの売上のパターンが、 1年目からすでに表れていたわけですが、当時はとにかくすべてが手探りでした。
 

初めて迎えるお正月に年末年始は無休営業を決意

大晦日が近づくにつれて、お客様から年末年始の営業予定を聞かれることが増えました。
「できれば開けていてほしい」という声も多く、思い切って年末年始は休まないことに決めました。
 
個人店で、しかも開業して初めてのお正月に、休まず営業する選択は普通ならまずしないでしょう。
周りの商店や、町全体が活動を休む日であり、売上の見込みがまったく立たないからです。
それでも営業を決めたのは、お客様のリクエスト以外にもうひとつ理由があり、それは自分の誕生日が11日だということ。
元日は私にとって2つの意味で新しい1年のスタートであり、昔から体を動かしていた方が落ち着く日なのです。
 
年始は市場も閉まってしまうため、事前に市場の方々に相談し、お正月期間もフルーツを仕入れられる段取りを整えました。
元日からお客様がどのくらい来てくださるのか見当がつかず、当時の日曜日の販売個数を目安に、ひとまず250個を用意することに。
 
そして迎えた元日の朝。お店のロールカーテンを開けると、見たこともない光景がそこに待ち構えていたのです。