大切にしていること その1 子供たちの笑顔

生フルーツゼリーは踊りだすおいしさ?!


お店をオープンして 12年。これまで多くのお客様からうれしいお声や感想をいただいてきました。
なかでも忘れられないのは、ある日お店にかかってきた 1本の電話です。
「そちらのゼリーはお酒が入っているんですか?」
女性のお客様からのお問い合わせでした。
「いいえ、生フルーツゼリーにお酒は 1滴も使っていません」と私。
旬のフルーツの魅力をお子さんからお年寄りにまで楽しんでただくために、
素材を厳選して作っているのが生フルーツゼリーです。
 
なぜそんな疑問を持たれたのでしょう。聞いてみるとこんなお話でした。
そのお客様はいちごのゼリーを当店で購入し、おうちで小さいお子さんと一緒に召しあがったそうです。
「そしたら子供がすごくはしゃいで、食べ終わっても陽気に踊ってるんです」
少し困惑した様子が電話口から伝わってきます。
お酒はいっさい入っていないことを私が説明すると、お客様は納得されて
「じゃあこの子はおいしくて踊ってるのね!」と大笑い。
こちらも思わず笑ってしまいました。
 
子供たちが“食べると踊りだす”おいしさ。
こんなにうれしい褒め言葉はありません。
それ以来この言葉は、私が生フルーツゼリーを作るときにいつもイメージする指針になりました。
 

味を誰より厳しくジャッジするのは子供たち


小さいお子さんといえば、こんな出来事も。
あるとき若いお母さんがよちよち歩きのお子さんと店に来られて、近くの公園で一緒に食べるからとゼリーを 1つ買って行かれました。
すると 1時間もしないうちに戻って来られて「子供が夢中で全部食べてしまって! もう 1つください」と笑って言ってくださったのです。
これも心に残るエピソードです。

振り返ると「子供たちの喜ぶ顔を見たい」という思いは、いつも私の原動力になってきました。
お店をオープンした頃、ちょうど姪っ子が生まれ、初めは小さな存在にどう接していいのか戸惑うことばかり。
それでもゼリーを見せるとキャッキャと笑ってくれたのを覚えています。
以来、妹の家を訪ねる際はいつもゼリーを持参し、姪っ子や甥っ子からは「ゼリーのおじさん」と呼ばれています。

かつて私が働いた広告の業界では「実物以上に良く見せる」「欠点を取り繕って売る」ことは珍しくありませんでした。
でも子供たちにそれは通用しません。
とくに味に対する子供の反応は正直で、こちらが少しでも妥協すれば必ず見破られます。
その一方で、おいしいものには満面の笑みで、ときには全身で、喜びを表してくれます。
ジャッジが正直で厳しいからこそ、やりがいがあるのです。
子供たちが笑顔で「おいしい!」「また食べたい!」と言ってくれる生フルーツゼリーを、これからも作り続けたいと思っています。